＜花燃ゆ感想 ＃31 処刑延期･･･あるよ（味噌汁付き）＞

■副題：「命がけの伝言」
■年代：1864年12月　　文＝22歳　伊之助＝36歳　高杉＝26歳



えーと、今回の脚本もひどすぎて、一体何から語ればイイやら･･････
どこまで長州と小田村夫妻と文と視聴者を愚弄すれば気が済むのか･･････
何のために作ってるんだろう･･･このドラマ･･･


うなだれてても仕方ない。今回も色々ツッコんでスッキリしつつ史実トークしましょう。
ワケワカラン初恋設定は置いといて、史実の伊之助＆寿に萌えようぜ！

1864年の11～12月は切腹・斬首ラッシュで長州にとって地獄の時期です。
嗚呼、朝敵とは、かくも過酷なものなのか･･････
･･･のはずが、三家老切腹・四参謀処刑が冒頭ナレーションで終了！
ええっ！？家老の一人・福原越後がいたはずだけど、何のために出してたの！？「八重の桜」はちゃんと家老の切腹描いてたよ！？

家老の益田右衛門介・国司信濃・福原越後は11月11日～12日に切腹し、首級は広島に屯している幕府側に送られ、首実検された。
同じく12日、禁門の変の参謀、宍戸左馬之介・佐久間佐兵衛・竹内正兵衛・中村九郎の４人を野山獄で斬首した。
かつて松陰の力で「福堂」となった野山獄は、もうそこには無かった･･･


ここでまさかの山県有朋登場！今頃かよ！村塾時代から出しとけよ！
山県が入塾したのはかなり後の方なので、数ヵ月しか在籍してなかったんですが、有名なんだしスルーするなよ･･･
そして久し振りの赤根武人。彼は奇兵隊総督として頑張ってたはずなんですが、まったく描かれませんでしたね･･･。
その上、「紀行」で刑死する事まで解説されている･･･！さてはドラマの中で描かないつもりだな！？
ひ･･･ヒキョウモノ！長井の切腹や来原の自刃といい、後味悪い事は完全スルーするつもりなのか！？

高杉が赤根らに向かってやたら毛利家家臣アピールしてましたが、そんなキャラだったっけ？
史実の高杉は、無鉄砲な様でいて根っこはちゃんとした武士で、色々苦悩するのが魅力の１つですが、このドラマの高杉はそうは見えなかったんですが･･･

高杉・山県・赤根の奇兵隊トリオは、もっとちゃんと掘り下げて対比して描いて欲しかったなー。
奥御殿の作り話はどーでもいいから･･･

新キャラといえば、野村望東尼登場！高杉の辞世の句の下の句を作った事で有名ですが、小田村夫妻とも交流があるので、その辺どう描かれるか･･･
ところで望東尼役の真行寺君枝という女優さんは今回初めて知ったので、「真行寺キミエ」というと３×３EYESのオカマのママのイメージが･･･（笑）


さて、伊之助の実兄・松島剛蔵が処刑されてしまいました。
重要な事なのでもう一度言いますが、史実の時系列は

12月15日　高杉晋作、功山寺決起
12月19日　松島剛蔵ら処刑、小田村伊之助ら投獄
12月28日　伊之助ら処刑予定日

です。

松島が死ぬ前に「波がどうのこうの」と言ってましたが、このドラマを見ている非長州ファンの中で、彼が海軍総督だという事を一体何人知っているのか･･･
つーか、そもそもこのドラマ、長州軍艦ちっとも出てきてませんよね！？

松島と一緒に処刑されたのは、前田孫右衛門・毛利登人・大和弥八郎・渡辺内蔵太・山田亦介・楢崎弥八郎の６人。
この７人と、11月12日に処刑された四参謀を合わせた11人を、「甲子殉難十一烈士」と言う。
松島は享年40歳。ちなみに、山田亦介は山田顕義の伯父。（顕義はいつ出るんだ･･･）



えーと、色々ツッコミつつ、ぼちぼち伊之助の話を。

前回無視された伊之助の遺言状っぽい言葉が寿の口から出ましたが、その直後に奥御殿の門前で土下座して大声で伊之助の助命を請う寿！
･･･はあぁー！？武士の妻がそんな事するかー！スタッフは伊之助の遺言状の何を読んでいたんだ！？
普通に史実通りの小田村夫妻の別れが見たかった･･･！

前回は高杉、今回は美和が来て色々くっちゃべってましたが、実際はあり得ないんじゃないかと。

伊之助と共に捕まったのは、村田次郎三郎（大津唯雪）・波多野金吾（広沢真臣）・滝弥太郎の３人ですが、『楫取素彦伝』によれば、国事について語るのに「獄中は固より公けの通話許されさりしを以て、手談目話、時としては筆語を以て」意思疎通したという。
ちなみに、この『楫取素彦伝（原題・耕堂楫取男爵伝記）』の著者は、村田次郎三郎の息子で歴史家の村田峰次郎。

実際、ある夜寿が子供と共に野山獄の門前にいると人から聞いた伊之助は、規則が厳しく声を発する事ができないと、歌に詠んでいる。

美和は「初恋の人を助けたいんです～」的な事を言って座敷牢？から出してもらって伊之助に会いに来てましたが、初期も書いたけど、「姉が死んで初恋の人と結ばれました♪」って設定、気分悪いからやめてくれませんかね。
妻の死後、その妹と結婚する人物は実は劇中にもう１人いるんですが、そっちはどう描くつもりなんでしょうね？スルーされそうで怖いなあ。


話を戻しましょう。伊之助は捕まってしまいましたが、そんな事でめげる寿子様ではありません！

ドラマではおむすびに手紙を忍ばせていましたが、史実ではおむすびの中にハサミを隠して差し入れた、という話があります。
他にも、湯呑茶碗を差し入れし、同囚の村田が「ヅクニウ（ミミズク入道）」と名付けたという。
伊之助はこのハサミと「ヅクニウ」を同囚の仲間達と使い、思い出の品として明治になっても大事に保存していた。あぁ、現存していないのが惜しい･･･！

他にも、寿は春になれば柳や梅の枝を送り、伊之助は妻を思って和歌をしたためるのだった･･････

どんだけ仲がイイんですか！！ありがとうございます！ごちそうさまです！

（※不確かなため一文削除）
ちなみに、夜中に獄を訪れる時、文は怖がっていたが、寿は興味津々だったらしい。

伊之助の獄中和歌は一冊の本にまとまっているようですが、どっかで活字化してくれないかなぁ･･･
女性ウケを狙うなら、なんちゃって大奥より、小田村夫妻をちゃんと描いた方が良かったんじゃないか･･･？え？主人公は文？

あと、文･･･あ、ドラマでは美和か。が、やたらめったら伊之助を褒めちぎってましたが、史実の伊之助の魅力を描かないと何の意味もありませんよ。


それからもう１つ、伊之助たち４人の処刑について。
「萩ものがたり Vol.43　楫取素彦」によれば、12月28日が処刑予定日でしたが、司獄の福川犀之助が令状未達を理由に認めず、29日は前藩主斉広公の命日、年が明けてからは新年の行事が続き、執行が先延ばしになったそうな。
伊之助ら４人が出獄するのは２月15日。
江戸送り前の松陰を一時帰宅させた件といい、福川さんグッジョブ！ですね。



今回重要なのは何と言っても高杉晋作の功山寺決起です！

･･･って、回想かよ！しかも真冬の夜中になんで五卿を屋外に出して馬上でドヤってんだよ！？
ちなみに七卿は１名脱走、１名病死で五卿になってますが、劇中ではまったく触れられませんね。相変わらず烏帽子姿だし･･･

この時の有名な台詞が「長州男児の肝っ玉、お目にかけ申す！」ですが、その場にいた土方久元の日記『回天実記』では「長州男児の腕前、お目に懸け申すべし」（書き下し）となっていますが、どっちが正しいのやら。

五卿に暇乞いに来た時の話は「伊藤公直話」や「土方伯」に詳しく載っていて、微妙な違いがあるものの、総合すると、

土方らの元に鎧姿の高杉が「五卿に暇乞いをしたい」とやってきたので、夜中だったが五卿の方々に起きてきてもらった。
酒と残り物の煮豆をふるまうと、高杉は「これから長州男児の腕前をお目にかけます」と言って暇を告げ、雪景色の中、兵を率い馬関へ向かった。

･･･みたいな感じ。

この後、高杉ら革新派ｖｓ椋梨ら保守派の内戦となるのですが、さーて、来週は戦闘シーンが何分あるか･･･。
皆さん、玉木彦助の事、覚えてますかー？ちょっと思い出しといて下さい。


そういえば、ヒストリアの伊藤夫妻回＆桂回が放送だそうで、楽しみです！梅子ー！
伊之助、梅太郎、玉木＆乃木あたりをヒストリアでやってくれないかなぁ･･･。
「英雄たちの選択」の会津ｖｓ長州回がムチャクチャ面白そうなんですが、地上波でもやってくれないものか･･･
ついでに言うと、Ｎスペの攻めが凄いので昭和史番組の視聴も忙しいっす！



以下、らくがき。




すいません、ゆるすぎた･･･（笑）


考証めちゃくちゃでごめんね。



※イラストの歴史人物は、宮本のオリジナルイメージを使用しており、役者とは関係ありません。
※一部、歴史人物名や用語は、宮本が使い慣れたものを使用しています。
※文中の暦・年齢表記は原則として旧暦・数え年です。