忍者ブログ
[564]  [563]  [562]  [559]  [557]  [556]  [554]  [553]  [552]  [551]  [550
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

■副題:「お世継ぎ騒動!」
■年代:1864年10月  文=22歳 伊之助=36歳 高杉=26歳



さて第30回。「八重の桜」では明治編の開始でした。
こちらの方が幕末に時間を割いているのに、なんだこの中身スカスカっぷりは・・・
ああ、貴重な長州大河の時間がこうして無駄に消費されていく・・・・・・


とりあえず、つまらん創作にサクッとツッコミを入れたら、今回は伊之助の投獄について語りましょう。
・・・えー、ぜんぜん時期違うのに?やだなぁ・・・。あ、やりますやります。




第一次長州征伐の真っ最中だというのに、萩だの羊羹だのキャッキャウフフと作っている奥女中たち。
知るかあああああ!!!(鍋をひっくり返す)
お世継ぎがどーのこーのという話でしたが、史実では元徳と銀姫の息子・興丸は翌年の2月7日に生まれます。劇中は10月27日付近です。とんだ茶番です。
そもそも元徳だって養子なんですが・・・。
公式ストーリー本で確認すると、史実通り興丸は2月7日に生まれるようです。えっと・・・ここは地球なのかどうかすら怪しくなってきたぞ・・・

史実では高杉は10月24か25日に出奔し、29日に白石正一郎宅に入りますが、松陰の墓参をしようとしていたかは不明です。
今回の羊羹密書話ははたしてやる意味があったのか・・・。11月1日には「谷梅之助」と変名し、九州筑前に向け出帆します。
この時期の品川弥二郎の思想は資料が無くてちょっと分からないのですが、なんで高杉に斬りかかってるんだよおぉ!!


えーと、今回、興丸の誕生日と並んで声を大にしてツッコミたいのは、
伊之助の投獄は12月19日です!!松島剛蔵の投獄はその前日です!!

文の奥入り、銀姫の懐妊、伊之助・松島の投獄・・・なんで時期をコロコロ変えるんだ・・・

保守派政権のやり方に危機感を持った高杉が功山寺で決起して、(これは次回やるようですが)
それに対して保守派は松島剛蔵らを処刑し、伊之助らを投獄した。
で、高杉の決起をきっかけに藩内訌戦が始まり、革新派が勝利したことで文は奥に上ることができた・・・

物事には因果関係というものがあって、歴史はその連鎖なんだよ・・・!それが面白いんだよ・・・!

あと、なんで伊之助がこの時期に倒幕がどーのこーの言ってるんすか?早くないすか?
なんで高杉だけじゃなく伊之助も松陰と同じ獄なんですか?さすがにわざとらしくないすか?他に空いてないんすか?
なんで劇中でお尋ね者の高杉が獄に面会に来てるんすか?福川さんのお陰っすか?



・・・はい!吐き出してスッキリしたところで、ここからは楽しい史実の話です!
史実では伊之助は「素太郎」と改名していますが、分かりやすく「伊之助」でいきます。(そもそも「小田村」って呼んでれば良かったのか・・・)


サクッと伊之助の現状を確認してみますと、
8月に長崎から帰った後、9月にかけ宇和島に出張します。
9月17日には藩命で「素太郎」(それまでは「文助」)と改名します。
保守派政権により、10月13日に役職を罷免されるので、今回のドラマでは無役状態のはずです。
伊之助の処分はそれだけでは終わらず、11月2日には親類預けとなります。

保守派政権による幕府への謝罪が進む中、流れを変える大事件が起きます。
12月15日、高杉が政権をひっくり返すべく、功山寺で決起します。幕末長州史のハイライトです。
これを受けて、保守派は18日、伊之助の兄・松島剛蔵ら7人を野山獄に投じ(他の日の人もいるっぽい?)、翌19日に7人を処刑します。
同じ19日、今度は伊之助ら4人が野山獄に投じられます。


ドラマでは乱暴に取り押さえられていましたが、実際は組頭の家に呼び出されました。
駕篭に乗る前、伊之助は妻の寿に漢詩を贈りました。『楫取素彦伝』の「楫取素彦の漢詩文」から書き下し文を引用します。

勤倹すること十年家政に労し、
裁縫紡績幾(ほと)んど営為す。
糟糠より未だ阿卿(そなた)の徳に報いざるに、
又獄に向ふ中別離を賦す。


なんとなく訳すと、「10年間家事がんばってくれてありがとう。まだ貴女に恩返しできないまま、獄に向かいます・・・さようなら・・・」ってな感じ?
そして、以前から書いてあった「申残候言の葉」という遺言状を渡します。中には子供の教育や妻としての心構えなどが丁寧に記されていました。
この遺言状にもいくつか和歌が書かれていますが、家を出る時にこんな歌も詠んでいます。

十重二十重 くろきなはめに かかるとも 赤きこころを うつしやはする

こういう詩歌をたくさん残しているのも伊之助の魅力の一つなんですが、ドラマではさっぱり描かれませんね・・・
つーか、寿との別れのシーンすら無いって・・・呑気に羊羹作っとる場合かー!


さて、獄に投じられてしまった伊之助はどうなるのか!?そして夫の受難に寿はどう動く!?
伊之助の死刑執行予定日は、12月28日・・・・・・



以下、らくがき。



ドラマの感想絵とするか、ただの幕末絵にするか迷いましたが、あまりにストーリーと乖離してるので普通の幕末絵ということでw

後ろの横顔は松島と松陰。左側は野山獄組で、福川犀之助、一緒に捕えられた村田次郎三郎・滝弥太郎・波多野金吾。
右側は寿と息子の篤太郎・久米次郎。



※イラストの歴史人物は、宮本のオリジナルイメージを使用しており、役者とは関係ありません。
※一部、歴史人物名や用語は、宮本が使い慣れたものを使用しています。
※文中の暦・年齢表記は原則として旧暦・数え年です。
PR
Comment
name 
title 
color 
mail 
URL
comment 
pass    Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメントの修正にはpasswordが必要です。任意の英数字を入力して下さい。
■INFOMATION■


宮本初(みやもとはじめ)の個人ブログです。
ご連絡の際は↓メールフォームからどうぞ!
【メールフォーム】

↓Twitter(X)常駐してます↓
@nniyannoto
■CALENDER■
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
■SEACH■
■COPYRIGHT■
みやもとのモト!
(C)宮本初
SINCE 2009/03/03
ブログ内の文章・画像の無断転載及び複製を禁じます

――――――――――――――――
SSL標準装備の無料メールフォーム作成・管理ツール|フォームメーラー


Template by Crow's nest 忍者ブログ [PR]