＜花燃ゆ感想 ＃10 Be CRAZY！＞

■副題：「躍動！松下村塾」
■年代：1857年９月～11月　　文＝15歳　松陰＝28歳、久坂＝18歳



久坂回、高杉回と来て稔麿回です。
あれ･･･？俺の知ってる稔麿と違う･･･。あぁ、きっとこれはどこか別の世界の話なんだ･･･
そうだ、そうに違いない･･････


･･･という現実逃避は置いといて、史実の稔麿について語りましょう。･･･語らせてくれ･･･！
記事タイトルは伊勢谷氏の色紙から。

「立場の弱い学生が目標を見つけ、誠意でエリートを出し抜いて偉い人に認められる」という話としては面白かったのですが、
それ、吉田稔麿や松下村塾でやる必要あるのか･･･？
史実を丸っきり無視してドラマ作るなら、オリジナルネタでやればいいのでは･･･？
２話の寿の縁談とかもそうなんですが、現代劇のフォーマットに歴史人物を当てはめてるように見える･･･
どうも歴史に対する愛が感じられないんだよなー･･･


さて、では実際の稔麿はどんな境遇にあったのか、ざっと確認してみましょう。（１枚目は３話の再録です）





前回述べたとおり、稔麿は家の借金返済のため、何度も参勤に従い江戸に出て藩邸で働いています。
今回も村塾通いを中断し、働かなくてはならなくなってしまいました。もちろんドラマのように推薦されてではなく、軽卒の仕事で、です。
ドラマでは「目的も無いのに江戸に行きたがるな」と松陰に叱られていましたが、実際はとても期待されていて、「私の志を継ぐ人がいたら、力を貸してやって欲しい。もしいなかったら、貴方がその人だ」と、めっちゃ丁寧な手紙を送られています。
桂など、知り合いに紹介状も書いてくれました。

稔麿が船着き場で江戸の様子を訊くシーンは、後に情報収集で活躍する伏線になっていて良かった。
･･･まあ、既に２回も江戸に行って黒船来航も安政の大地震も体験してるんだけどね！
江戸から松陰や親戚に送った手紙には、本人が見聞きした情報が沢山書いてあります。

ところで、黒船を見た事とか、稔麿が学ぶ理由としてかなり重要なものだと思うんですが、なんでそういうバックグラウンドをスルーするかなぁ･･･

余談ですが、稔麿は江戸に行く前に近所の不良少年３人を松陰に託しています。
あ、そういえば冒頭でフサが稔麿と伊藤が同じ塾に通っていたと言っていましたが、あれは松下村塾２代目主宰の久保五郎左衛門の塾です。
稔麿が萩を発ったのも、伊藤が村塾に来たのも同じ９月なんですが、どっちが先かは不明。

この翌年、松陰の推薦で塾生らが「飛耳長目（ひじちょうもく）」（＝情報収集）の藩命を受け、京に上るのですが、今回の話はそれを意識したのだろうか？
ちなみにその中には、伊藤や山県有朋（まだ塾生でない）もいました。


その伊藤ですが、ドラマでは結構イイキャラですねー。･･･やっぱ伊藤主役の方が面白いんじゃね･･･？
寺島の食いしん坊キャラも、創作でしょうがイイ感じです。

フグ談義のシーンはテンポ良くて良かった。
フグ食については、前年に松陰が書き残しているんですが、宮本の拙い古文読解力で要約すると

・フグ食って死ぬとか、武士として恥ずかしい
・美味いからってフグ食う奴は、その内アヘンにも手を出すよ

･･･らしいです（笑）。


今回の新キャラは長井雅楽！
そのガキんちょ共、今の内に潰しといた方がイイっすよ！（笑）

酒好きで有名な周布さんが、今までずっとシラフで出ていて違和感を持っていたのですが（笑）、遂に酔っ払いシーンきたー！
よっしゃ、容堂公も呼ぼう！（をい）

今回の伊之助はナイス策士でしたね。


松陰が「諸君、狂いたまえ！」と決め台詞らしきモノを言ってましたが、イマイチそこに至るまでの思想が描かれてなくて、なんか唐突感がありました。
八重の桜の「断固として事を行う時、人は皆狂気ですけぇ」の方が、「あれ？こいつヘラヘラしてるけど実はヤバいんじゃね？」感が出てて良かった。
奇しくも八重の第10回は、稔麿が命を落としてしまう池田屋事件でした･･･！

幽囚室が手狭になってきたので、離れの小屋を改造して塾舎にしてましたが、品川が「師の顔に泥を塗る（物理的な意味で）」は、翌年の増築の時じゃないっけ？
因みに、８畳の講義室が小屋を改造したもので、「松下村塾」の看板が掛かり土間や小部屋がある棟は増築されたものです。


次回は久坂と文の結婚話のようですが、また寿がひどい描かれ方をしそうな予感･･･。
やめてよー！何の嫌がらせだよー！もう２人目御懐妊してるだろうし、いたわってあげてよー！



以下、らくがき。











※イラストの歴史人物は、宮本のオリジナルイメージを使用しており、役者とは関係ありません。
※一部、歴史人物名や用語は、宮本が使い慣れたものを使用しています。
※文中の暦・年齢表記は原則として旧暦・数え年です。