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■副題:「松陰、最期の言葉」
■年代:1859年6月~11月  文=17歳 松陰=30歳、久坂=20歳



いよいよ第1シーズンクライマックス!
・・・ダメだ・・・全然感動しない・・・・・・
いや、別の意味で悲しくはなりましたが・・・


とりあえず感想レッツゴー!
今回は総集編感想&第2シーズンの展望も付いててお得だよ!(単にまとめて書いたとも言う)




さて、山場の松陰処刑回でしたが、今までも言ったとおり、社会情勢やそれに対する松陰の思想が詳しく描かれていなかったため、
イマイチ感情移入できず、処刑シーンもまったく感動できませんでした。

評定所での奉行との問答は、「花神」とだいたい同じ台詞でしたが(元ネタは松陰の高杉宛書簡)、あちらの方が濃い演技でものすごく良かったです。

井伊との直接対決は、フィクションとしては面白いのですが、台詞の内容が抽象的でイマイチ説得力が無く、残念。
実際に2人が対峙したら、ものすごく高度な討論になりそうなので、その辺の雰囲気をもっと出して欲しかった。

沼崎はああいうひねくれキャラにするなら、松陰との交流をもっと丁寧に描いて欲しかった。
あの男が何故、留魂録を十何年も肌身離さず守り続けたのか!?・・・ってネタバレだけど、有名な話だからイイよね(笑)
ちなみに、OPの歌詞の元ネタは、留魂録の中の一首
「愚かなる 吾れをも友と めづ人は わがとも友(ども)と めでよ人々」
だそうです。

処刑シーンの演出は悪くないんですが、暗転無音が長すぎて放送事故っぽいw


松陰が両親の前に姿を見せるのは、史実とはちょっと違いましたが、良い演出だったと思います。
実際はどうだったのかというと、長女・千代の明治41年の回顧談によると、

当時、梅太郎と敏三郎が病気で寝込んでおり、両親はその看病で疲れ、眠ってしまった。
母が見た夢は、松陰が元気な姿で帰ってきて、声を掛けようとしたら姿が消えて夢から覚めた・・・というもの。
父が見た夢は、自分の首を斬られたが、とても心地良かった・・・というもの。(大正2年版では松陰が首を斬られる夢)
後日、松陰刑死の知らせが来て、数えてみると、夢を見た時間は松陰の死刑執行時間と同じだった・・・。
母は、松陰が「もう一度元気な顔を見せる」という約束を果たしたのだと話したという・・・・・・


さて、今回注目すべきは伊之助です。
伊之助がわざわざ江戸まで行って松陰に会っていましたが、これは創作です!
つーか、そんな暇ありません!

松陰在獄中の9月、伊之助は三田尻(現・防府市)の「越氏塾」へ勤務し始めますが、完全にスルーどころか改変!
防府・・・!せっかく大河ドラマ館もあるというのに・・・ドンマイ!
この後も伊之助は出世していき、松陰死後の12月には藩主の側近にまでなります。
松陰は松下村塾の後継者に伊之助を指名していましたが、結局忙しくて果たせませんでした。


松陰と伊之助の絆を表したエピソードで、とても重要なものがあるのですが、完全にスルーでした。
まさかスルーするとは思わなかった・・・

松陰は江戸に送られる前、伊之助にある書を贈りました。(原文漢文)

至誠にして動かざる者、未だこれあらざるなり

自分は20年学問をして30歳になったが、未だこの言葉を理解できない。
この江戸行きで、自分の身をもってこれを試してみたい。
死か生かという大事はしばらく置いておく。」

そして別紙には、

「もしこの言葉の効果があったら、世に伝えて消えないようにして欲しい。
もし効果が確認できなかったら、この書を燃やして朋友に醜態を見せないようにして欲しい。
全てはあなたの判断に任せる。」

・・・とありました。

伊之助は松陰の死後、どんな答えを出したのか?

・・・この書は現在も、松陰神社に大切に保存されている・・・・・・


・・・・・・なんでこれスルーしたんだよ!?

あれだけ「至誠」「至誠」言っておきながら!?
史実改変してまで伊之助の出番増やしておきながら!?

このドラマが何をしたいのか分からない・・・・・・

松陰は本当に色々記録を残していて、史料を脚本代わりにできるレベルなのですが(!?笑)
こういう面白エピソードを読んで、ドラマでビジュアル化したいと思わないのかなぁ・・・・・・

つーか、このドラマの伊之助って史実通りの事何かしましたっけ・・・
思い付くのは、明倫館で先生やってたり、寿と結婚したり、建白書書いてたくらいかな・・・・・・?

伊之助がドラマでここまで大きく取り上げられるのは初めてなので、ちゃんと正しい伊之助像を描いて欲しかった。
もうこれは同姓同名の別の生物だと思った方が、精神衛生上良いのかもしれない・・・・・・


気を取り直して、今回の設定時期の史実を確認してみましょう。基本的に日付順ですが、日付不明のものも含みます。
ドラマで触れられなかった事は()書き。12月はオマケ。

6月◆(前原、長崎遊学から帰る)
    来原と伊藤、長崎出張から帰る
    (松陰、江戸藩邸に入る)

7月◆松陰、第一回取り調べ、間部要撃を自白、伝馬町獄へ

9月◆(松陰、第二回取り調べ)
    桂、江戸勤務を命じられ、伊藤を従え江戸へ
    (伊之助、三田尻越氏塾へ勤務)

10月◆(稔麿、再出仕)
    (松陰、第三回取り調べ)
    (桂と伊藤、江戸着)
    松陰、口書読み聞かせ
    高杉、江戸を発つ
    松陰刑死、(桂・伊藤らが遺体を引き取り、回向院に埋葬)

11月◆萩に松陰刑死の知らせが届く

(12月◆伊之助、手廻組に加えられ、側儒役(藩主側近)に)


ところで、松陰と桂のツーショットがありませんでしたね。見たかったなあ・・・
「花神」で出てきた松陰の遺体引き取りシーン、「花燃ゆ」ではあるでしょうか?
そーいえば、同日村田蔵六が女囚の解剖に来たというのは史実なんだろうか??


さて、次回からいよいよ幕末の激動編!
龍馬が久坂を訪ねてくるのは約2年後の事ですが、えっ、いきなり時間飛びすぎじゃないか?



ここからは総集編感想!

・・・・・・ひどい編集だった・・・・・・

ちび松陰とか、障子越しに梅太郎に声を掛ける亀とか、「生きて腐って呪え!」とか、イイシーンがことごとくカット!!
そして延々流れる文の創作エピソード!!
あと、ほとんど「つまらん」しか言ってない高杉!(笑)

ごめん・・・本当に不愉快だった・・・ストレスはんぱなかった・・・・・・orz

ディレクターズカット版ならぬ、時代考証ズカット版が欲しいです・・・・・・マジで・・・

「花神」の総集編第1部も松陰刑死までなので、見比べると面白いかも。ちなみに文らしき人はいますが台詞無し。
「幕府や朝廷の動きが全然分んねえよ!」という人は、「八重の桜」第1回~5回をオススメします。


一区切りついたので、さっくり個人的感想を総括してみると、

・必要な史実の描写が省略・改変され、特に必要があるとは思えない創作ネタに時間が割かれたので、歴史ドラマの意味が感じられない。
・そのため、それぞれの人物の思想や背景が分からず、感情移入できない。
・そういった描き方から、歴史に対する敬愛が感じられない。

「ホームドラマ」と言ってた割に杉家の良さが出てないし・・・
「松下村メン!」と言ってた割に塾生のキャラが立ってないし・・・
これからどんどん他界していきますが、多分金子や松陰と同じく感動できないんだろうな・・・



暗い気分になっても仕方ありません!これからは事件が目白押しです!
攘夷戦!八月十八日の政変!池田屋事件!禁門の変!下関戦争!内訌戦!長州征伐!
年表を見るだけでワクワクします!スーパー長州タイムはこれからだぜ!!

みどころ紹介を見ると、戦闘シーンは良さそうかも?
砲撃されてたのはフランス艦のキャンシャン号かな?
池田屋事件での稔麿の槍術も見られそうなのでそこは楽しみ。
しかし、女キャラの出番が多そうで不安だ・・・。女はモブでいいんだよ!(女主役だってば)
そして久坂は久坂に見えないし・・・(笑)


色々新キャストが発表されたので、久し振りの登場予想イラストチェック!
井上馨・白石正一郎・高杉雅が加わりました。古高らしき姿もありましたね。
・・・や、山田と山県は・・・蔵六は・・・若殿は・・・。芸者系のキャストも気になります。
三条実美が出るなら、土方も是非・・・!





なんかすごい長くなってしもた・・・
多忙のため、イラストは無しです・・・・・orz



※一部、歴史人物名や用語は、宮本が使い慣れたものを使用しています。
※文中の暦・年齢表記は原則として旧暦・数え年です。
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